ルーヴル美術館やエコール・デュ・ルーヴルなどとともに、
ルーヴル宮殿の一角を占めるのが装飾美術館。
装飾美術と一言に言っても、
装飾壁画、宝飾品、建築装飾、モード、広告、壁紙 etc...
コレクションの分野は多岐に渡ります。
2012年で開館130年を迎える装飾美術館は、
今年初めての試みとして、美術史を専攻する大学院生を対象に、
館のコレクションをそれぞれの分野の学芸員が紹介し、
実際に作品を見せつつ、学生の関心について話し合うという
プログラムを開催しました。
端的に言えば、調査が追いつかない膨大なコレクションを
広く大学院生に公開し、研究してもらおうという試み。
とても合理的な発想だけど、受け入れ体制が整っていなければ、
美術館側もそう簡単には踏み切れないと思います。
それが一人の主任学芸員の発案であっさり実現したというのだから、すごい。
一生懸命コレクションや、研究の可能性を解説してくれる方の中には、
その日のプログラムの趣旨をよく把握してない人もいてびっくり...。
とにかく、自分が大切にしているコレクションがあって、
それに興味を持つ若い学生が数人目の前にいれば、
永遠にしゃべり続けることができそうな、
根っからの学芸員の方々でした。
装飾美術館のコレクションの大半は公式サイトで見ることができます。
そして、フランスの国公立の美術館で共通して使われているという
収蔵品データベースも興味津々で拝見しました。
基本的には日本のIB. Museumと変わりませんが、
情報量がすさまじく、例えばある工芸品に使われているモチーフ
(植物の名前や文様の種類など)がすべて文字情報として入力されていて、
自在に検索できるという使い勝手の良さ。
また、使われている画像は、写真として撮影されたものではなく、
立体作品も含めてすべて専用の機械でスキャニングされたものだそう。
データの緻密さ、客観性には徹底したものを感じました。
付属図書館に並ぶ、装飾モチーフの見本集。
図書館の窓からは、ルーヴル宮殿の反対側の翼が見えます。
階下の展示室をいつでも眺めることができる学芸の事務所が並ぶ通路。
各分野ごとに専門の学芸員と、ドキュメンタリスト(資料や文献のエキスパート)
がいます。
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