ジュネーヴ滞在中、現地で見つけた観光パンフレット。
そこに掲載されているのは、見覚えのあるお城...
いつだったか、三鷹の市民ギャラリーで開催されたクールベ展で見た
シヨン城だとすぐに気がつきました。
湖に浮かんでいるようにもみえるその美しい姿が、心に残っていたようです。
ジュネーヴの近くだということで、何とか行ってみたいと思い
いろいろ調べた結果、最終日に念願を叶えられることに。
レマン湖をぐるっとまわってスイス有数のリゾート地、モントルーへ。
列車を下りて、湖の方へ出るとこの景色。
モントルーは、20世紀初頭からヨーロッパの人々、とりわけ英国人が
崇高な風景を求めて訪れていたようですが、それも納得です。
花々が咲き乱れる湖沿いの小道を小一時間ほど散歩。
しばらくすると、湖の向こうにシヨン城が見えてきました。
クールベの絵そのままの堂々とした佇まい。
シヨン城の岩盤には青銅器時代、そしてローマ時代にもすでに人が住んでいたそうです。
中世には城壁が作られ、シオン司教、サヴォワ伯爵、ベルン人とヴォー州と
時代とともに所有者も移り変わってきました。
見た目の美しさとは裏腹に、シヨン城は宗教改革者の牢獄として使われてきた
という歴史も持っています。
地下の牢獄も見学することができました。
イギリスの詩人バイロンが1816年に執筆した「シヨンの囚人」は、
16世紀にこの場所に幽閉されたジュネーヴの宗教改革者、
フランソワーズ・ボニヴァルについてうたったもの。
記念プレートが掲げられています。
シヨン城は、バイロン以外にもルソーやユゴー、デュマ、フローベールら
スイスやフランスの文学者たちにインスピレーションを与えてきました。
かつての居住空間も見学でき、時の蓄積で色あせてはいるものの、
フレスコ画や室内装飾から当時の生活に思いを馳せることができました。
お城からはレマン湖の岸辺を見渡すことができます。
せっかくだから頂上の塔まで登ってみることに。
下が見える階段が怖くて怖くて、
「怖くない、怖くない」とひとり念仏のように唱えながら登りきりました。
地上に戻ってほっと一息。
こんな所に生まれて、犬と湖畔を散歩する暮らしなんて夢のよう。
さて、湖を満喫したあとは山の方へ...
そう、憧れの登山鉄道です。
箱根では乗ったけど、やっぱりスイスでも乗ってみたかった。
Rocher de Nayeという山で、片道1時間ほどで頂上に着きます。
ここからは言葉はいらないと思うので、
被写体のおかげで綺麗に撮れた写真の数々をお楽しみください。
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