ミュンヘンに滞在中、都会の空気に疲れてしまって
どこか近くにのどかにくつろげるところはないかな〜と
パラパラとガイドブックをめくっていると、ありました。
1909年、青騎士の画家カンディンスキーはミュンターとともに
アルプスに囲まれた自然豊かなこの地に移り住みました。
ミュンヘンからは電車で40〜50分程度。
しかし、地図もなければ、駅前に観光案内所もなく、
右も左も分からなかったので、お散歩中のおじいさんに訪ねてみると、
親切なことに目的のミュンター・ハウスや美術館に案内してくれ、
暑かったのでビールまでご馳走になってしまいました。
おじいさんはドイツ語、私は英語で
まともなコミュニケーションは取れなかったけど、
おじいさんありがとう。
駅を出て、森のなかをしばらく歩くと見晴らしの良い丘に出ます。
遠くに見えるのは、カンディンスキーも多く描いた聖ニコラウス教会堂。
そしてこちらがミュンター・ハウス。
カンディンスキーとミュンターが暮らした可愛らしい家で、
中には当時の暮らしぶりが伺える写真や、
彼ら自身の手で装飾された家具がそのままに残されています。
風に揺れる草原と彼方に見える蒼いアルプス。
カンディンスキーの抽象は、この地の豊かな自然がもつ形態と色彩から
生まれたものだったんですね。
もうひとつ訪れたのはSchlossmuseum Murnau。
かつてお城だった建物を利用したこちらの美術館&博物館には、
カンディンスキーやミュンターはじめ青騎士の画家達の作品もあり、
ムルナウの歴史や人々の暮らしが分かる遺跡や民芸品などの資料が展示されています。
続いて街の中心部にやってきました。
パステルカラーの家々が並ぶ可愛らしい通り。
カフェでビールを飲み、露店で買ったアイスクリームを食べ、
ドイツならではの木のおもちゃ屋さんで甥っ子と姪っ子へのお土産を買ったり、
素敵な洋服屋さんのお姉さんとおしゃべりしたり、
本当に楽しいことばかりの通りでした。
建物が形づくる遠近法の消失点の先にはアプルスの峰。
この距離感がたまりませんでした。
帰りはもう一度樹々のあいだを歩いてみます。
のんびり草を食む馬や牛たちもたくさんいました。
そしてちょっと寄り道して湖へ。
太陽の反射がほんとうに眩しくて、水面を直視できないくらい。
なんだか地上の楽園のような土地でした。
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