4/27/2012

Buttes-Chaumont公園


パリにもようやく春が訪れつつあるということで、
留学仲間である3人のランボーさん、プルーストさん、マリヴォーさん、
マラルメさんとともにパリの北東部に広がるビュット・ショーモン公園を訪れました。

実はここ2、3週間、パリは連日曇り時々雨、ごくたまに晴れという天気なのですが、
写真に写っている白い小さな神殿で雨宿りしつつ、
幸いこの日のピクニックと散策は空の下で楽しむことができました。

この神殿のふもとにあるベンチに座りサンドイッチやワインでランチ。
私ももっと気合いを入れてお料理すれば良かったなぁ。
でもプルーストさんにマドレーヌを食べていただけてよかったです。


お腹が満たされた後は公園内を散策です。
この公園は、ナポレオン3世の都市計画によって採石場から公園に生まれ変わった
という歴史があり、樹々や草花に覆われた大地のところどころに
不思議な空間が開けています。




洞窟に吸い込まれる先輩たち。
ちなみに私はこれまで家では長女で、大学でも後輩たちと過ごすことが多く、
職場では最年少だったものの、中身が自称中学生な男性陣に囲まれていたりしたので(笑)、
パリに来て本当に素敵な先輩たちにお世話になりながら、
人生初の妹ポジションを謳歌しています!




敷地内には3つの滝があります。人工とはいえ、なかなかの迫力。
洞窟の奥に滝、というシチュエーションも雰囲気がありました。






さっきまで雨が降っていたと思ったら、
もくもくの白い雲と青空。




蜂の巣かと訝しがりながら近づいてみると、
木の幹が変形してしまったようです。ちょっとグロテスク...。











公園は起伏が激しく、上方から滝を見下ろせるスポットもありました。
ランボーさんも高所恐怖症であることが判明し、ちょっと親近感。





お花畑の向こうにぽつんと置かれた台座。
本当は上に彫像が立つ予定だったのでしょう..。



じゃれまわる犬たち。公園ではおなじみの光景です。
ちなみに、この後立ち寄ったカフェで見つけた小さい犬をなでなでし、
約数ヶ月ぶりの犬エキスを補給しました!




夜はバスク地方のお料理を出すレストランで晩餐会。
すごいボリュームに驚きながら(サラダが大きなボウルで出てきます)、
初のバスク料理を堪能しました。




すっかり酒豪キャラとして定着してしまったので、
これからも明るく酔いたいと思います。

4/19/2012

One Shot



エコール・デ・ボザールの学生たちによる展覧会に行ってきました。
ボナパルト通りにあるアトリエには、
もはや自分の大学よりも足繁く通っているかもしれません。


日本館の展覧会に参加してくれているVilmouthアトリエの学生たちとは、
気付けばすっかり打ち解け、彼らの展覧会にも毎回顔を出すようになりました。
何より、現代アートの話をできる同世代の仲間ができたことが嬉しいです。

同じ時間と空間を共有して、純粋に何かを一緒に作るというのは、
一番のコミュニケーションだなと実感しました。

完全ボランティアで参加した展覧会の作業自体は大変なこともあったけれど、
こんな機会をいただけたことに感謝感謝。


ちなみに彼らは、それぞれフランス国内や海外での展覧会に作品を発表するかたわら、
月に1〜2回のペースで、一からテーマを考案した展覧会を企画し、
ボザール内のギャラリーで実現しています。

このアトリエにはインスタレーションや映像作品、パフォーマンスを
表現媒体とする学生が多いので、あるコンセプトのもとで作品を形にしていく
展覧会が一番の学びの場になっているのだと思いますが、
それにしてもすごい活力です。

Facebookに次々と上がってくる彼らの展覧会情報の数にはただ驚くばかり。


今回訪れたのは、「ONE SHOT」と題された展覧会。
ギリシャ風の柱なんかも立っている展示空間は結構広々としていて、
10人の出品作家で空間を埋めるのはなかなか大変だったようです。














ちなみに来月5月2日からはボザール内にあるシャペルで新たな展覧会を行うとのこと



七変化


まったりモード



怒りモード



ぐうたらモード



おしゃれモード



知的モード



美人モード



きょとんモード

4/15/2012

Palais de Tokyo リニューアルオープンに向けて




(ENTRE) OUVERTURE PALAIS DE TOKYO
30H NON STOP

2012年4月12日18時から13日の24時にかけて、Palais de Tokyoで
30時間ノン・ストップのプレオープン・イベントが開催されました。


Palais de Tokyoとは、パリの中では最も規模の大きい現代アート施設。
なぜ、「Tokyo」と冠されているかというと、
第1次世界大戦の同盟国であった日本の首都がセーヌ河沿い通りの名になり、
(ちなみに第2次世界大戦のときはニューヨーク通りになっています。)
この通りに建てられた万博の建物にも「Tokyo」の名が与えられたのがきっかけだそう。


というわけで、日本の現代美術とは何の関係もないのですが、
私が7年前に初めて訪れたときは村上隆の「いのちくん」が一番良い場所に展示されていて、
ミュージアムショップには村上隆グッズが溢れていたので、
パリでは「Tokyo」が現代アートのシンボルなのか〜などとぼんやり誤解していました。


今回は、10ヶ月の改修工事を経てのリニューアルオープンを4月20日に控えて、
50名近いアーティストたちが、作品展示、パフォーマンス、ダンス、
レクチャー、対談などを繰り広げるというイベントです。

12日の20時過ぎにひとり勇んで行ってみると、会場は想像を上回る長蛇の列。
確かに、パリジャンたちはよく並びます。
特に展覧会や文化関連のイベントは、2、3時間平気で待ちます。
現代美術も例外ではなかった....。


Palais de TokyoはAlma-MarceauとIénaというメトロのちょうど中間地点にあるのですが、
あろうことかIénaの駅まで列が伸びていて、この日の訪問は泣く泣く断念。


Iénaの駅前、高らかに腕をあげる騎馬像がちょっと切なく見えました。
さすがに200メートル超えの列を前に、寒空の下「よし、行くぞ」とはなりませんでした。




でもこと展覧会に関して、こんなことであきらめる私ではありません。
前日の反省をふまえて、13日は少し早めの18時過ぎに、
偶然この日の午後のシンポジウムで一緒になった友人を誘って、2度目の挑戦。
初日に比べてイベントが少なかったためか、すんなり入ることができました。


展示は、広々とした空間を生かした、体験型の大掛かりなインスタレーションが中心です。


レコードとプラスチックケースで作られたラジコンのレース場。


天井から吊るされたのは、埃まみれの廃棄物のような物体。




2階のスペースでは、何やら言葉を発するパフォーマンスが。






窓に落書きのように書かれたカリカチュアはウィットに富んでいて辛辣でした。



おそらく工事で出た廃材を、バランスだけで組み合わせ、重ねていくという
パフォーマンス/インスタレーション。ここだけは空気が張りつめていました。



カラフルな舞台を背景に突然始まったのは、ダンサーのパフォーマンス。






小さなスペースでは映像作品の上映やコンフェランスも行われていました。



とにかく、Palais de Tokyoの内部は広く、複雑に入り組んだ迷路のようで、
そんな空間を手探りで進みながら、
ひとつひとつの境界が曖昧な作品を渡り歩くというのは、
知覚を総動員する作業です。


現代美術を見るのは好きだし、
好奇心の赴くままに足を運んでなるべく多くのものを吸収するようにしているのですが、
まずは展示論に関して、本棚に並べた(ままになっている...)
Brian O'Doherty, Nicolas Bourriaud, Georges Didi-Huberman, Jacques Rancièreらの
著作をちゃんと勉強して、歴史的・分析的な視点も持てるようになりたいと思います。

Fondation Ricard "ça et là / This and There"


コンコルド広場近くにアートスペースを構えるFondation Ricard
展覧会オープニングに行ってきました。

Ricardとは、みなさんご存知お酒のメーカーです。

私は全然知らなかったのですが、連れて行ってくれた
フランス人のアーティストのたまご君によると、
Fondation Ricardとはパリの現代アート界で最も影響力がある財団のひとつで、
Marcel Duchamp賞に次いで、Ricard賞が現代若手アーティストの登竜門になっているようです。

スペース自体は、いたってシンプルなホワイトキューブ。
立派なパリの建造物のワンフロアにあり、ギャラリー空間へと続く
大理石の階段には赤い絨毯が敷かれていました。

この日オープンする展覧会は少し特殊なもので、
本当の展覧会場は世界中の街中。

ギャラリーでは、その展示プランだけ(おそらくカタログのゲラ)を
壁にピンで無造作に留めてあります。

それでも、会場はまたたくまに人で埋め尽くされて行き、
Fondation Ricardへの関心の高さが伺われました。






日本人の唯一の参加は、LAの田中功起さん。
全ての作品やパフォーマンスを見に行けるわけではないけれど、
世界中で展覧会が進行中というだけでわくわくしますね。


余談ですが、ヴェルニッサージュではやはりRicardのお酒がふるまわれ、
グレープフルーツジュースだと思って手に取った飲み物が、
劇的にまず....衝撃的に奇妙な味で、
アニスのお酒とのことでしたが、
普段ショコラ・ショーと紅茶とハーブティーとワインばかりをたしなむ舌には
残念ながら拒絶されました。




セーヌ河の夕暮れはいつも見とれてしまいます。
特にこの日は雨の後だったので、空気の透明感が格別でした。


ホワイトアスパラとレモン


風まだ冷たいですが、パリにも春らしい日差しが毎日降り注ぐようになりました。
一度は初夏のような暑さになったり、かと思えば気温がぐんと下がったり、
なかなか安定しませんが、それもパリらしい気候です。

ところで、フランスの春先の旬の野菜といえばホワイトアスパラ。
ということで、ラスパイユ大通りの、観光ガイドにも載っているらしい
日本人客で溢れるビオ・マルシェで立派なアスパラを2本仕入れてきました。

その他にもオーガニックのいちごやレモン、たまご、
バナナマフィン、スコーン、すみれの石けんなど....。
実はこちらに来て初のマルシェを大満喫。




ホワイトアスパラは、グリーンアスパラに比べてアクが強く筋が多いということで、
ピーラーで皮をしっかりと剥き、レモン汁と塩を入れたお湯で茹でます。
少し、くたっとなるくらいがちょうど良いみたいです。


ソースは、オーランデーズソースという、
卵とバター、レモン汁のシンプルなものにしてみました。
ソースの濃厚さとホワイトアスパラのほのかな苦みがよく合います。


ところで、ホワイトアスパラとレモンといえば、こちら。





オルセー美術館の5階展示室にさりげなく鎮座するマネの2点。
《オランピア》や《草上の昼食》でスキャンダルを巻き起こし、
19世紀のパリを生きる市井の人々を多く描いたマネ。

でも私はとりわけマネの静物画がとても好きです。
「オルセーで一番好きな絵は?」と聞かれたら、この2点を挙げます。


あんな挑発的な絵でスキャンダルを巻き起こして、
マネは型破りの奔放な人物だと誤解されがちですが、
実は生まれながらの繊細なブルジョワジーで、
自分の絵が同時代の人々に正当に評価されることを誰よりも望んでいました。

マネの手紙や文章を読むと、
自分の作品を面白おかしく揶揄したカリカチュアなどにも
いちいち落ち込んで、思い悩んでいたようです。

そんなマネが、気晴らしにでも描いたのか、
アスパラ1本とレモン1個という潔さも、
小品でも確かに際立つタッチと色彩感覚のバランスも、
すべての要素がこれぞ「絵画」と慎ましやかに主張しているようで、
愛すべき作品だとひそかに思っています。

4/12/2012

浮気心

もちろんポチが一番なんですが....

七代目豆助もかわいすぎる。








コロふわ感がたまりません。
しぐさ、表情、鳴き声、全てに癒されます。
DVD欲しい...。

ちなみに今は八代目になっているようです。