5/31/2012

Place Clichy


モンマルトルに住む日本画家さんや、ボナールに興味がある画家さん、そして
ランボーさん(パリにはたくさんランボーさんがいます)のうちの一人を誘って、
Place Clichyを訪れました。

パリの北西に位置するこの広場には、19世紀末、
ナビ派の画家たちが多くアトリエを構えていました。

そんな界隈をバスで通りがかったときに、
ボナールの絵の中で見たカフェを窓越しに見つけ、
これは行かねばと長らく思っていました。

LE PETT POUCET (親指太郎)という名のカフェは、
広場に面したテラス席と、木造の装飾的な壁面に鏡が嵌め込まれた重厚な室内が対照的。
かと思えばおじさまが集う奥のバーにはゲーム機が置いてあるような、
古き良き時代のカフェという雰囲気でした。


せっかくだからテラス席に座ってみます。
午後17時、まだまだ明るいパリの雑踏を眺めながら、
ボナールの絵の構図や、絵画のマチエールと主題の関係、詩のマチエールなど、
話しは尽きることなく、3時間近く長居してしまいました。



さすがに1世紀以上が経ち、街並みも、自動車も、道ゆく人のファッションも
変わってしまったけど、カフェ文化と活気はそのままです。

この絵の構図は中々複雑で、店の内装もすっかり変わってしまっていたので、
ずばりココ、という場所を見つけられませんでした。



こちらはPlace Clichyと題された作品ですが、画面奥に霞がかって見えている
サクレ・クール寺院、実は広場から見ることはできません。


右側に描かれている彫刻はまさしくPlace Clichyのもの。
ボナールはこの頃からデッサンをもとにアトリエで描くというスタイルを
取っていたので、大胆にも2つの場所を絵の中で結び付けたのでしょうか。


そしてボナールがかつて借りていたアトリエの前も訪れてみました。
ガートルード・スタインのときのように金のプレートはついていなかったけど、
クラシックな石造りの壁とバルコニーの手すりが素敵な典型的なパリのアパルトマンでした。



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