5/22/2012

パリ自然史博物館

時間が前後しますが、エコール・ド・プランタンの4日目は、発表がお休みで
みんなで美術館や博物館を訪れる日でした。

私が選んだのは、美術館ではなくパリの南東にある植物園と自然史博物館。
その理由は後で明かしたいと思います。

ともあれ、博物館探索の仲間は、ガイドをしてくれる研究者のパリジェンヌと、
アミアンのコロックで出会ったとても紳士なフランス人の男の子
天使のようなふわふわの金髪をした可愛い微笑みのその彼女、
ヴァールブルグを研究している背がしゅっと高いドイツ人の男の子、
同じくドイツからやってきた陽気な大学教授の女性、
そしてボストン在住でパリに滞在中の現代アートを専攻する女の子、
とても楽しい面々でした。

自然史博物館は19世紀の建物ですが、改装を終えた内部はモダン空間。
1階は海の生き物、2階は陸の動物と、空間的にも生態が感じられるようになっています。

巨大ガラスとブルーの照明で、海の中を泳いでいるような演出。


大好きなペンギンの赤ちゃんやしろくまも...♡♡♡



そして2階は吹き抜けの広々とした空間。
ノアの箱船に向かう群れさながらに、動物たちが歩みを進めています。


上から見るとこんなかんじ。

吹き抜けを取り囲むように設けられた回廊には、動物だけではなく植物の展示も。
きのこたちがちまっと並んでいて可愛かったです。

すごいな〜と思ったのは、天井の色がアフリカの空をイメージして、
青空からオレンジ色の夕焼けへと徐々に変化していくこと。
照明が変わると、動物たちの色も変わって見えます。

 なんだかまるっこくて可愛かったから撮ってみたけど、何なんでしょう...?? モグラ?

自然史博物館は植物園の一画に建っていて、敷地内には他にも温室や動物園などがあり、
博物館そのものも、今紹介した進化大陳列館に加えて、
鉱物学・地質学陳列館、比較解剖学・古生物学陳列館という3つの建物に分かれています。

お昼に近くのカフェでみんなとランチをして別れた後は、ちょっと心残りがあって
再び植物園に戻ってきました。

入口の噴水の上にはライオンが鎮座しているのですが、よく見ると人の足が......ひえぇ

今の季節の植物園には、アイスランド・ポピーが咲き誇っていました。
オレンジと黄色、白が多く、ときどきピンクが顔を出します。

バラ園も今が見頃。近くを歩くだけで香りが漂ってきました。



メリーゴーランドも馬だけではなく色々な動物が回っています。これは楽しそう。


そして向かった先は、比較解剖学・古生物学陳列館。ここに私の見たい場所があるはず!!
最初は進化大陳列館がその場所だと思っていたんですが、あれれ何か違うと気付き、
ガイドさんに聞いてみると、こっちだよということに...

陳列館の前には、笑みを浮かべてマンモスを彫る「Premier Artiste[最初の芸術家]」の彫像。
19世紀のフランスでは、自然史への関心と、先史時代への関心が合わさって、
先史時代の人間と動物の争いの場面、果てはこんな銅像が生み出されたのだとか。


さて、列にならんで中に入ります。
祝日だったためか家族連れでごったがえしていました。


一歩中に入ると、動物たちの骨、骨、骨、骨、骨、骨、骨、骨、骨、骨........!!!!
これこそ私の求めていた場所です!
といっても、実は骨フェチというわけではありません。


理由はこちら、ジャコメッティの『終わりなきパリ[Paris sans fin]』という版画集で
この陳列室のデッサンを見て、いつか行ってみたい!と思っていたのです。

『終わりなきパリ』は、何気ない路地やカフェ、アトリエの様子が収められた
版画集ですが、骨の陳列室のイメージがとても記憶に残っていました。
Paris sans fin ....タイトルの言葉の響きも詩的ですよね.。

陳列室は、部屋中大小さまざまの動物たちの骨で埋め尽くされていて、
しかも元の姿を彷彿とさせる立体感があるため、圧巻です。



陸の動物だけではなく、魚たちやクジラの骨も。


こうして見ると骨って造形としてただそれだけで美しい。
とてもキャプションをちまちま読む気にはなれません。



私でも結構楽しめたので、男の子はさぞかし興奮することでしょう。




2階はマンモスや恐竜の骨たち。一眼レフを首に下げたお父さん、はしゃぐ子ども、
ちょっと疲れたお母さんという家族連れが多かったです。

このカメ、子どもと比較すると巨大さが浮き彫りに... 。 

これはきっとナントカザウルスでしょう。



骨を見終えて外に出ると、19世紀末のモードに身を包んだ女性が。
羽根かざりのついた帽子と傘はやっぱり必需品だったんですね。

出口には、人間と動物の争いの悲しい顛末が....。リアル過ぎて怖かったです。

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