先日blogにも書いたfiac!の写真版、Parisphotoに先週末行ってきました。
ついこの間のことのようだけどもう一週間も経ってしまいました。
fiac!は10月20日〜24日、Parisphotoは11月10日〜13日、
会場も同じGrand Palaisということで、各ギャラリーのブースも
fiac!のものを再利用しているようです。
Pariphotoは、写真を扱うギャラリーに、写真集の出版社も加わり、
計135もの小さな展示空間がひしめいていますが、そのうち65%、約半数強が海外からの参加です。
展示方法がとてもかっこよかったので、パシャリ。
こういうランダムな展示って、ここは必ずそろえるという法則とかあるんでしょうか。
それとも全て展示する人のセンスにかかっているのかな...。
いつも思うのは、こちらにはscénographie [もともと舞台用語ですが、美術館では展示設計の意味] を専門に学べる学校や学科があるけれど、日本ではあまり聞いたことがなく、
先輩学芸員に教えてもらいつつ、展示を見て独学という人が多いんじゃないかなと思います。
一緒に行った韓国の友達 [文化政策が専門]も、そういえば韓国にもない、不思議だね〜と話していました。
展示や照明のノウハウはある程度蓄積される知識だと思うし、
日本の学芸員資格のための授業に、そういう科目があっても良さそうなものです。
たまたま照明の勉強会に参加できる機会があったり、
去年は大学の仲間たちとホワイト・キューブの勉強会をしたり、
今日から大学でミュゼオロジーの授業が始まり、展示論を一通り勉強する予定ですが、
しつこく大学に残って留学までしていなければ、
何も知らないまま学芸員になっていたかもと思うと複雑です。
写真も、額装して壁にかけるだけではなく、
作家によって見せ方も工夫されていました。
こちらは19世紀の写真を扱う画廊。
写真に映っている限りすべては過去の出来事だけど、
現代の写真家の作品群のなかで見つけた、古い写真が並べられた空間は、他とは異なる雰囲気が漂っていました。
階段に座って休憩中、ふと眼を横にやるとまさかの満員電車状態....
これはfiac!以上の混雑ぶり。
こちら、出版社兼ギャラリーも持つ赤々舎さんのブースです。
http://www.akaaka.com/ ギャラリーは清澄白河から六本木に移転したばかり。
人だかりであまりうまく撮れませんでした...。
赤々舎さんとの直接の出会いはある展覧会カタログのお仕事でしたが、
実はそれよりも前に、せんだいメディアテークが発行する『ミルフィユ』という雑誌の
何とも言えないゆるやかな空気感に惹かれて本屋で手にとったことがあり、
それが本当の最初の出会いということに気付いてからは、一方的に親近感を抱いています...。
写真集『感動』を刊行したばかりの斎藤陽道さんもいらっしゃっていて、
ゆっくり筆談トークをすることができました。彼の言葉はいつも迷いがなくまっすぐで、
この写真集は「今の日本人へのラブレターのつもりで作った」という言葉が印象的でした。
Parisphoto、全体を見て感じたのは、日本の写真家の存在感の大きさです。
特に、ロンドンのTate Gallery、ニューヨークのThe International Center of Photography、
Giorgio Armaniという3組の招聘施設が最近の新収蔵写真を展示するというコーナーで、
Tateは森山大道、Armaniは杉本博司、東松照明を取り上げていました。
寒空の下、帰りに立ち寄ったfotoeverはなんだかなぁという感じ。
入口の謎のイルミネーションと、しゃがれた声で「フォトエヴァー」という
ささやきがスピーカーで流され続けていたのは一体何なのかが気になります。
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