1/19/2012

パリで一番好きな場所


その場所は、マレ地区の細い路地を進んで、進んで、


HIER POUR DEMAIN [明日のための昨日]という素敵な名前のお店の脇を通って、



視界が開けたところにあります。



そう、Place des Vosges[ヴォージュ広場]です。
調べてみると、アンリ4世の統治下で1612年に完成したパリで最古の広場だそうですが、
前の留学中に初めて訪れたときは、そんなことも知らず、散歩中に迷い込んで
「わぁ、なんて素敵なところなんだろう...!!」と。


ほぼ正方形の芝生の公園の回りを、赤茶色のレンガの建物がぐるりと取り囲んでいます。
青みがかったグレーの屋根には、屋根裏部屋らしき小さな窓。





この建物の一画にはかつてヴィクトル・ユゴーが住んでいて、
今は記念館として公開されています。
他にも、高級紅茶店や三ツ星レストランも入っているそう。いつか行ってみたいです。


建物の1階部分は回廊になっていて、そう、確か初めて訪れたとき、
コンセルヴァトワールの学生たちがカルテットを演奏していました。



私の写真では、この開かれたと同時に閉ざされた空間の感じがまったく伝わりませんね...。
でも、よく考えたら広場の全貌を内部から捉えるのは不可能。


エッフェル塔を嫌ったモーパッサンが、唯一その姿を見なくて済む
エッフェル塔の中のレストランに毎日のように通ったという有名な逸話がありますが、
空間の内部に入ってしまうと、全体を一目のうちに視界に収めることはできないのです。


だから、訪れる度にそのもどかしさを感じながら隅々まで見渡し、
しっかりと目に焼き付けて、記憶の中では正方形の美しい広場として保ち続ける、
そんな場所です。





広場でゆっくりと過ごしたら、
小さなトンネルを抜けてまた街の喧噪の中へ戻って行きます。




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