パリの市立図書館のひとつBibliothèque Forneyです。
主に美術、装飾、工芸関連の文献を揃える図書館。
見て下さい、この素敵な外観!まるで中世のお城のよう。
15世紀後半に建設が始まった、パリ市内でもめずらしい中世の建物なのです。
建物自体の名前はl'hotêl de Sens。小さな博物館も入っています。
20世紀初頭に、この場所が図書館として使われるようになるまでには
大掛かりな改築など大変だったようですが、
いまではパリ市民や研究者たちが利用しています。
そして、建築が素晴らしいだけではなくこの図書館は使い勝手も抜群。
写真さえ持っていけば登録も簡単で、オレンジ色のカードをすぐに作ってくれます。
そして2階の閲覧室に入ると検索用のパソコンがずらり。
そこで読みたい本を探して、カードに書き入れ、司書さんに渡すと
座席を指定され、そこでおとなしく待っているとあっという間に本が出てきます。
(国立図書館は時間帯により30分〜1時間かかる...)
3階は貸出しOKの書籍コーナー。
ちょっとした図録など、借りられるのは嬉しいですね。
そして4階が充実の貴重書閲覧室。
部屋を取り囲む書棚は、19世紀の美術研究者には垂涎の書物が並んでいて、
さらっとカードに記入して申請すればすぐに手に取ることができます。
さらに、許可さえとれば写真撮影もほぼ問題なし。
夕暮れ時のシルエットが何とも麗しい。
小さい頃の私は西洋のお城や古い建築に心から憧れていて、
絵本などで得たイメージと自分の空想を掛け合わせて
理想の棲まいを描くことに熱中していたものです。
パリの中で最も郷愁と愛着を覚える建築。
それがまさに私の研究対象の書物を所蔵する図書館になっているとは...
運命を感じます。
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