エクスは都市というほど大きくはありませんが、
学生と観光客でにぎわう活気ある街。
旧市街を中心に、
19世紀どころか、16世紀、17世紀の建物まで残っており、
歴史が自然と現代に溶け込んでいます。
エクスは泉の街。
あちこちで、個性的な噴水に出くわします。
そして強烈な南仏の太陽。
日本の夏とは違い、湿気がないせいか、
太陽光線が肌に突き刺さるようでした。
坂を登った街外れにあるセザンヌの生家。
父は商人、そして銀行家として財を成しただけあって、
なかなか立派な建物です。
人であふれる日中も楽しいけれど、
早朝の静まり返った旧市街には
違う時間が流れていました。
マルセイユの美術館と共同で、Le Grand atelier du midi展を企画。
マルセイユは「ゴッホからボナールまで」
エクスは「セザンヌからマティスまで」と銘打って
南仏で制作した作家たちの作品が一堂に会します。
現在セザンヌの作品は世界中に散らばっており、
グラネ美術館が所蔵しているのはわずかに1点なのですが、
この展覧会期間中は数点のセザンヌの作品が里帰り。
たくさんの人でにぎわっていました。
セザンヌが、画学生時代に残した
複製画などもあり興味深かったです。
セザンヌの作品を見た後は、
丘の中腹にある画家のアトリエへ。
中心部から、歩いて20分くらいでしょうか。
中では写真が撮れませんでしたが、
セザンヌの静物画に描かれている
壺や壜たちが変わらぬ姿で慎ましく並んでいました。
私なんかはセザンヌが専門というわけでもないし、
先輩や教授の発表を通して親近感を抱いていた程度でしたが、
画家が制作をしていた場所を見られるというのは、
貴重な経験でした。
ジャン=クロード=レーベンシュタインの『セザンヌのエチュード』を
もう一度読み返そうと思います。
最後に、サント=ヴィクトワール山の見えるローヴの丘へ。
アトリエからさらに20分ほど坂を登ったところにあります。
セザンヌも、毎日のようにこの丘に登り、制作していたようです。
サント=ヴィクトワール山はどうしても見たいと思っていたので、
時間がぎりぎりだったんですが、急いでとっとこ登りました。
思ったよりも遠く小さく感じて、
でもセザンヌのようにずっと眺めていたら、
もっと近くに感じられたのかもしれません。
この旅で唯一見かけたラヴェンダー。
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