みなさま
新年明けましておめでとうございます。
かのレオナルド・ダ・ヴィンチは夕暮れ時の女性の陰影には
この上ない美しさが宿っていると言いましたが、
わが家の愛犬も然り。
瀬戸内海に沈む夕日の薄紅色に浸され、
ほんのりと気品すら漂います....(飼い主バカですみません)。
美しいポチの写真で新年のご挨拶とさせていただきました。
2012年も気付けば去り、すでに2013年の1月3日。
去年の今頃何をしていたかなとダイアリーをめくると、
「BN(国立図書館)でアミアンでのコロックの発表準備....」とあります。
あれから1年も経ったなんて信じられない心地がする一方で、
日記を読み返すとやっぱり色々あったなぁと実感。
2012年は留学1年目ということで、渡仏前にぼんやりと目標にしていたことを
少しあせりながらも実現できた年でした。
それは、フランスで研究発表をして、研究者たちと交流するということ。
前回の留学時の無念さも相俟って、
フランス人たちと同じ舞台でということが、
半ばオブセッションのようになっていたかもしれません。
まだまだ満足とはいきませんが、
3つの発表を何とかやり遂げることができました。
学会を通して出会った友人たちとの関係を、将来へと繋げていけたらと思います。
そして展覧会にも貪欲に足を運びました。
いきなりですが、2012年の私の美術体験ベスト5!
1.ル・カネでのボナール美術館と風景
個人美術館がオープンしたということにも感無量だったし、
コート・ダジュールの海を見渡す丘陵の街を歩いていると
ボナールの絵のなかに入ったような感覚に。
光や空間を実際に体験できた貴重な3日間でした。
2.ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミュラー @ドクメンタ
日本のメゾン・エルメスや天保山のサントリー美術館での感動が蘇る
森のなかのサウンド・インスタレーションと
ipodを手にカッセルの駅構内を歩いた詩的な時間。
表象のニューズレターREPREに展評を書かせていただきました。
3.ヴィンタートゥール美術館&オスカー・ラインハルト コレクション
上質なコレクションが然るべき場所にきちんと収まった展示空間。
何かテーマがあるわけではないんですが、
時間の蓄積のなかでコレクターたちが築いてきた文化が浸透していました。
作品たちに再会できたことも純粋に嬉しかったです。
4.Anri Sala 展 @ポンピドゥーセンター
展覧会最終日に偶然通りかかるという運命的な出会い。
ポンピドゥーセンター1階のガラス張りの展示空間。
最終日に集った大勢の人々。外を動く群衆の気配。
巨大スクリーンに映し出される映像とオルゴールの音色。
色彩と沈黙。
今年のヴェネツィア・ビエンナーレのフランス代表だそうです。楽しみ!!!!
5.Hatakeyama Naoya / Natural Stories @アムステルダム Huis Marseille
「今だからこそ、美学と倫理の関係を注意深く掘り下げ、ロマンチシズムと
政治性の関係をもっと批判的に考察すべきなのです。アートに関わる者が
その努力を怠るなら、それこそが今回の災害に対するアートの敗北なのだと、
僕は思います」(畠山直哉「産経新聞」2012年3月18日)
展覧会とこの言葉を胸に留めておきたいと思いました。
まだまだ他にもたくさんの展覧会を見たけど、
ベスト5はこのようになりました。
今年は、就職と帰国も見据えつつ、
本腰を入れて博士論文を進める年にしたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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